このガイドでは、トラフィクモードセンサーを使用してオープンスペースにおける在室および活動のモニタリングの精度を評価する方法について説明します。
Butlrでは、新機能をリリースする前に厳格な社内テストを実施しています。内部テストではさまざまな現実環境を想定していますが、実際の現場ではレイアウト、設置の高さ、周囲の温度などの条件により結果が異なる場合があります。
お客様には、実際の環境で性能を検証することを推奨します。問題や差異が発生した場合は、Butlrサポートチームがトラブルシューティングや現場最適化を支援します。
テスト開始前の確認事項
すべてのセンサーはトラフィックモードの設置検証のガイドラインに合格している必要があります。Butlrのシステムの精度テストを行う前に、次の項目を確認してください。
フレームレート
すべてのトラフィックモードセンサーは6.5〜8 FPSで動作している必要があります。テスト前にButlr担当者に連絡し、リモートでフレームレートを確認してもらってください。
センサーのセットアップとデジタルツインの一致
物理的なセンサーの設置がButlr Studio上のデジタルツインと一致していることを確認します。
- センサーの向きが正しいこと
- ドアライン設定が正確であること
- 設置高さが2.8m(9.2ft)未満であること
- 壁面または天井に適切に取り付けられていること
詳細は「一般的なセンサーの設置手順:Butlr Studio上のデジタルツインとの整合性を取る方法」を参照してください。
システムの挙動と環境適応性
Butlrのサーマルセンサーは照明や静止状態よりも温度変化に敏感に反応します。正確な結果を得るため、テスト動作は実際の利用状況を反映させてください。
システムの特長
明るい環境・暗い環境のどちらでも同等の性能を発揮します。Studioのレイアウトが物理環境と一致していれば、家具の変更の影響は受けにくいです。
精度を最適化するための条件
- 人と人の間隔は60cm(2ft)以上
- 適切な環境温度は18〜29℃(65〜85°F)
- データの遅延はおおよそ10秒
例外的なケースと既知の制限事項
Butlrのアルゴリズムは多くの異常を自動的に補正しますが、次のような要因が精度に影響を与える場合があります。
偽陽性
- 日光の急激な変化
- 検知範囲内に大型動物が侵入する場合
- 人がバーチャルのドアライン上に立ち続ける場合
偽陰性
- 厚手の服やヘルメットを着用している場合
- 体温が環境温度と近い場合(稀です)
- 人と人の距離が60cm未満の場合
- 大型物体がセンサーの視野を遮っている場合
- ネットワーク接続が不安定な場合
トラフィックセンサーの精度評価の基本方針
トラフィックセンサーの精度評価は、プレゼンスセンサーよりも複雑です。実際の環境で「実測データ(Ground Truth)」を収集する必要があります。評価方法は以下の2種類です。
- 入退室のトラフィックの精度
- 占有人数の精度
推奨方法:入退室のトラフィックの精度
トラフィックセンサーは主に出入口に設置されるため、入退室カウントを基準にした検証が最も明確で再現性の高い方法です。
- 1台のセンサーで単一の出入口を対象にする
- 実測データはカメラ映像(推奨)または手動カウントで取得する。 人為的誤差を最小限にする
この方法の利点
- 明確な精度目標と再現可能な基準を設定できる
- 問題の特定と改善の追跡が容易
- 社内検証および顧客検証の両方に適している
占有人数の精度(トラフィック由来)
トラフィックセンサーのデータから空間内の占有人数を推定する方法は、環境条件や統計的要因によって精度が変動しやすく、直接的な検証が困難です。
考慮すべき制限事項
- 特殊なケースやサンプル数が少ない場合に影響を受けやすい
- リセットや補正を行わないと、時間の経過とともに精度が低下する
- 一定の基準となる占有状況に依存している
- センサーの数や配置によって性能が変動する
この方法は主にフロアレベルでの傾向分析に使用されますが、結果の解釈には注意が必要です。
空間レベルでの占有人数の精度が重要な場合(例:大型の多目的室やトイレなど)は、占有の実測データを収集し、トラフィックセンサーによる推定値と比較するための最適な手法については [this guide] を参照してください。
Butlrダッシュボードでのトラフィックデータ取得方法
トラフィックセンサーを評価するには、まずダッシュボードで該当するフロアまたは部屋を特定します。次に以下の手順に従ってください。
- フロアまたは部屋の概要画面で「Entrance」トグルをオンに設定します
- 「Show Breakdowns」をクリックして入退室カウントを表示します
- ドロップダウンメニューまたはグラフのズーム機能を使って、テスト期間に合わせて時間範囲を調整します
- 同じ空間内の他のトラフィックセンサーを非表示にし、評価対象センサーのデータだけを抽出します
- ダウンロードアイコンをクリックしてCSVファイルをエクスポートします
- エクスポートしたデータ内で、センサーのMACアドレスを使用して対象センサーを特定します
サンプルテストとデータセット
センサーの精度は、実際のテストを実施するか、または現場データを収集することで評価できます。どちらの方法を選択するかは、所要時間やベンダー評価の手順によって決まります。もし明確なテスト手順が定められていない場合は、以下のガイドラインを参照してください。また、各テストウィンドウ内の通過回数(トラフィックカウント)を用いて精度を算出したsample datasetも、参考用として利用できます。
トラフィックセンサーのカウントロジックの理解
Butlrのトラフィックセンサーは、同一トレース内で入退室の回数が同じ(例:1回入って1回出る)場合、それを「0 in / 0 out」として扱います。このロジックは、Uターンや立ち止まりなど、高トラフィック環境で発生しやすい行動による過剰カウントを防ぐためのものです。
同時移動に関する注意
人が同時に出入りする場合、それぞれが独立したトレースとして通常通りカウントされます。ただし、まれに1人が入室し、ほぼ同時に別の人が退室した際に、両者の軌跡が同一または隣接ピクセル上で連結され、1つのトレースとして誤認識されることがあります。
テスト実施時のガイドライン:
制御されたテストを行う場合は、各被験者が次のテストを始める前に、センサーの検知範囲から完全に退出するようにしてください。これにより、システムがトレースを正確に区別し、期待通りのトラフィックカウントを生成します。
実際の環境では、一部の動きが単一トレースとしてまとめられ、カウントから除外される場合がありますが、これは精度を維持するためです。なお、占有データ(在室情報)は引き続き正確に反映されます。
実施テスト
時間が確保できる場合は、少なくとも50回の入室と50回の退室を行い、統計的に有意なサンプルを確保することを推奨します。
また、実際の出入口の使われ方を反映するために、1人通過・複数人通過・さまざまな歩行パターンなど、複数のシナリオを含めてください。
実環境(ランダム)テスト
人の出入りが多くリアルタイムでのカウントが難しい出入口では、テスト期間中の映像を録画し、後から映像を確認して実際の通過数(グラウンドトゥルース)を算出することを推奨します。
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