概要
Butlr は、匿名の熱シグナルを実用的な運用インテリジェンスに変える、プライバシーファーストのアンビエントセンシングプラットフォームです。低解像度の熱センシングと AI によるモデリングを組み合わせることで、人が物理空間をどのように利用しているか、また空間内の機器がどのような状態で稼働しているかを、カメラやウェアラブルデバイスを使わずに把握できます。
Butlr プラットフォームは、次の要素を組み合わせています。
- インテリジェントな熱センサー
- エッジゲートウェイと通信インフラ
- クラウドベースのインテリジェンスサービス
- 運用アプリケーション
- API と連携ツール
これらを組み合わせることで、ワークプレイス運用の最適化、安全性の向上、重要インフラの監視、ビル設備の自動制御、センシングデータを活用した独自ワークフローの構築が可能になります。
プライバシーファーストの設計
プラットフォームの中核を担うのが Heatic™ センサーです。プライバシーを守りながら在室状況、人の動き、活動パターンを検知するよう設計された熱センシングデバイスです。カメラベースのシステムとは異なり、Heatic センサーは映像も、個人を特定できる情報(PII)も取得しません。匿名の熱シグネチャを解析して、人の存在や活動を推定します。
このアプローチにより、プライバシーへの配慮が特に求められる次のような環境でも、在室に関するインサイトを得られます。
- オフィス・ワークプレイス
- 医療機関・介護施設
- データセンター・重要施設
- 公共空間
- スマートビル
- 共用スペース
プラットフォームの主要構成要素
Butlr のエコシステムは、4 つの主要レイヤーで構成されています。
1. Heatic™ センサー
Heatic センサーは、低解像度の熱センシングとオンボードのインテリジェンスにより、次の情報を検知します。
- 人の存在
- 動線パターン
- 在室人数
- 人の流れ
- 活動傾向
- 電源接続部やラックなど、機器の表面温度
センサーは導入形態に応じて、プレゼンスモード、トラフィックモード、またはデータセンター機器向けの常時熱監視で動作します。
データセンター向けには、Heatic™ ファミリーにラック単位のセンサー Heatic Spine も加わります。Heatic Spine はラック前面または背面のラックレールに取り付けます。
2. ゲートウェイと通信
センサーは Hive ゲートウェイと通信し、Hive ゲートウェイが次の回線を使ってセンサーデータをクラウドへ安全に送信します。
- Wi-Fi
- イーサネット
- セルラー通信
データセンターでは、Heatic™ センサーが Hive ゲートウェイ経由で通路、バスウェイ、電源設備をカバーします。ラックレールに取り付けた Heatic Spine センサーは USB-C でデイジーチェーン接続され(1 本のケーブルで電源とデータを伝送)、ラック内の小型 PoE デバイスまたは Hive ゲートウェイにつながります。このデバイスがインターネット接続を担い、データをクラウドへ送信します。設置にあたってホールを停止する必要はありません。
このインフラレイヤーは、次の項目を管理します。
- デバイスのプロビジョニング
- ネットワーク通信
- ファームウェアの更新
- デバイスの稼働状態の監視
- セキュアなクラウド接続
3. クラウドインテリジェンスサービス
Butlr のクラウドプラットフォームは、未加工の熱シグナルを処理し、構造化された在室・活動インサイトに変換します。
主なサービスは次のとおりです。
- 在室モデリング
- トラフィック分析
- 熱マッピングとホットスポット検知
- イベント処理
- データ集約
- アラートワークフロー(ゾーンごとのしきい値設定を含む)
- デバイス管理
- ユーザーアクセス制御
- API サービス
これらの共通インテリジェンスサービスが、複数の Butlr アプリケーション、システム連携、運用ワークフローを支えています。
4. アプリケーションと連携
Butlr は、運用環境ごとに設計されたアプリケーションワークフローと API を提供しています。
Butlr Workplace+
これからのワークプレイスのための在室インテリジェンス。
商業不動産とワークプレイス運用向けに設計された Workplace+ は、次の用途に対応します。
- スペース利用分析
- トラフィックのモニタリング
- ワークプレイス計画
- 在室レポート
- 運用の最適化
Butlr Care
介護・ケアの現場の安全を支えるインテリジェンス。
Butlr Care は、居住環境やケアの現場における次のようなワークフローを支援します。
- 転倒の気づき
- 入居者の活動状況の把握
- リスクの把握
- 安全対応のワークフロー
- ケア業務
Butlr Data Center
データセンターと AI ファクトリーのためのサーマルインテリジェンス。
データセンターの運用、ファシリティ、コミッショニングの各チーム向けに設計された Butlr Data Center は、次の用途に対応します。
- 給電経路全体の常時熱監視:RPP、バスウェイのタップオフ、パワーウィップ、ラック PDU、バスバー接続部
- ホール、ラック、U 単位のリアルタイムなサーマルデジタルツイン
- BMC のサーバーテレメトリを熱データと並べて表示
- 本稼働前に、実測した冷却状況を CFD 気流モデルと比較
Butlr Data Center は datacenter.butlr.io から利用できます。利用できる機能は導入内容によって異なります。
Butlr Care の一部の機能は、対応するハードウェアや専用の導入構成が必要になる場合があります。
API と連携
Butlr は、在室インテリジェンスをサードパーティのシステムや運用ワークフローに組み込むための API と開発者向けツールも提供しています。
主な連携の活用例は次のとおりです。
- ビル管理システム(BMS)
- IWMS プラットフォーム
- 施設監視プラットフォーム
- スペース予約システム
- 空調(HVAC)の自動制御
- リアルタイムアラート
- 独自の分析アプリケーション
開発者向けリソースは Developer Docs セクションで公開しています。
シグナルから運用インテリジェンスへ
Butlr プラットフォームは、次の段階を経て、環境中の熱シグナルを運用インサイトに変換します。
- センサーが、匿名の熱による活動と機器の発熱を検知
- Hive ゲートウェイが、データをクラウドへ安全に中継
- クラウドサービスが、在室や動きのシグナルを処理
- アプリケーションと API が、運用インサイトを提供
- 組織がインサイトを活用し、運用、自動化、意思決定を改善
この共通プラットフォームアーキテクチャにより、センシングとインフラの基盤を統一したまま、複数の運用アプリケーションや連携システムに対応できます。
主な活用例
Butlr は次のような用途で活用されています。
- ワークプレイスの在室分析
- スペースの最適化
- スマートクリーニング
- 空調(HVAC)の最適化
- トラフィック分析
- 安全面のモニタリング
- 転倒の気づき
- ビルオートメーション
- 在室データを活用したシステム連携
- 給電経路の熱監視
- データセンターのコミッショニング
拡張性のあるインテリジェンスプラットフォーム
Butlr プラットフォームは、Heatic™ センサーに加えて一部のサードパーティ製デバイスや運用システムとも連携でき、より幅広いビルインテリジェンスのワークフローに対応します。
例としては次のようなものがあります。
- 一部のサードパーティ製センサー
- ビル管理システム(BMS)
- ワークプレイス関連テクノロジー
- 業務自動化プラットフォーム
- API による独自連携
こうした連携により、在室インテリジェンスに環境や運用に関する情報を組み合わせて活用できます。
関連リソース
プラットフォームについてさらに詳しく知るには、次のセクションをご覧ください。
- Get Started(はじめに):プラットフォームの基本とオンボーディングガイド
- Hardware(ハードウェア):センサー、ゲートウェイ、通信に関するガイド
- Deployment Playbook:設置と導入のベストプラクティス
- Butlr Workplace+:在室分析とワークプレイス向けワークフロー
- Butlr Care:ケアの見守りと安全対応のワークフロー
- Butlr Data Center:データセンターと AI ファクトリーの熱監視
- Developer Docs:API と連携のためのリソース
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